October 2020

ちょっと困った訪問客

ガサガサガサ、バリバリ! 時には甲高いイーッ!というような鳴き声とともにやってくる訪問客がいる。

2階のキッチンには薪ストーブがある。煙突は10メートル程の高さだ。訪問客はその煙突を伝って、というか落ちて来る。困った訪問客は、サンタクロースならず、鳥なのだ。

在宅していればいいが、数日留守にして帰宅すると既に死んでしまっていたりする。時にはストーブの中でパニックを起こしてバタバタ飛び回り、灰を巻き上げ、それを吸い込んで窒息してしまう。無事に逃がしてあげられるならいいのだが、いざ、逃す段階になると、キッチン中に灰を撒き散らして飛び出していく。

数年前には煙突の排煙部分(つまり一番上の部分)に金網を設置して、入れないように一応手は打った。訪ねて来る頻度は減ったような気がするが、決定打にはならなかった。

遊園地のジェットコースター感覚で、遊んでいるのかと思うほど、1日に数羽、落ちてくることもあった。「面白いんだよ! ちょっとスリルあるけどさ、あの煙突の中を落ちて行くとニンゲンの家の中に入れるんだ。すぐに出してくれるから大丈夫だよ、お前もやってみたら」 なんていう鳥の会話を想像してしまった。

アリスに教わったカステラの作り方

今更、言うまでもないだろうが、カステラはポルトガルから日本に渡ってきた。起源説はいろいろとある。スペインのカスティーリャ地方のお菓子がポルトガル経由で日本に渡り、それが訛ってカステラになったという説。ポルトガルのパオン・デ・ローがカステラの元祖だという説。

隣のアリスに、一度、パオン・デ・ローの作り方を伝授してもらった。彼女のキッチンで、一緒に焼いたパオン・デ・ローは素朴ながら、いかにも元祖の味がした。

 

アリスのカステラ

1.卵白9個を固く泡立てる。泡立て器は必ず一方向に使い、逆周りにはしない。

2.卵黄12個と砂糖300グラムを色が変わるまでよく混ぜる。

3.小麦粉125グラムをふるいにかけながら2に入れて、たたみ込むように、小麦粉が見えなくなるまで混ぜる。

4.3を1の卵白にたたみ込むようによく混ぜる。

5.250度で25分間焼く。

 

写真は上から

固く泡立った卵白

卵黄と砂糖を混ぜる

手順4。材料を全てたたみ込むように混ぜる

型に収まったカステラの種

 

残念ながら最終作品の写真がありませんでした...

 

アリスのいない村

ポルトガルに移住して15年間、ずっと隣人だったアリスがリスボンに行ってしまった。88歳。一人暮らしが難しくなってきたのだ。以前から足が悪く、段々と庭に出なくなっていた。彼女の家は二階建てで、昼間は一階のキッチンで過ごしていた。階段の上り下りが難しくなったため、去年だったか、家の一階にバスルームを設けた。そうすることで、石の階段の上り下りは1日に一回で済むようになった。時々、朝、階段を降りてくる姿を見かけることがあった。手すりにつかまりながらゆっくりと、一歩一歩確かめるように降りてきた。見るたびに、足を滑らせないで、落ちないでと祈らずにはいられなかった。

彼女は7人姉妹の一番上。姉妹の中で一人だけ運転免許証を持っていて、気軽に町まで妹のローザと連れ立って買い物に行っていた。村に一軒だけあるカフェは彼女とローザが運営していた。文字が読めない人のために、手紙やお知らせを音読し、時には代筆もしていたようだ。明るく、暖かく、頼りになるアリスがいるから村がまとまっている、と私には思えた。夜になると、彼女のキッチンに村の女性が2、3人集まって、一緒にテレビを見たりおしゃべりを楽しんでいた。私たちも、旅行に出かける時などは彼女に家の鍵を託していった。

ポルトガルのロックダウン(外出・社交規制)とマスク

10月15日から、ポルトガルでは再度のロックダウンが始まった。社会的・経済的な悪影響は最低限に抑えるようにするとは言うが、今回はレストランを含めた商業施設や公道では集まってもいい人数の上限は5名、結婚式など家族行事においては最大50名(マスク着用、ソーシャルディスタンスの確保)までの人数制限。治安当局の取り締まりが強化され、最大1万ユーロの罰金が課される。公道ではマスクの着用が強く推奨されている。

警察の権限強化や罰金がいいとは思えない。だが、そうしなければ規制が機能しない面はあるのだろう。

10月16日現在、ポルトガルの感染者数累計は93,294人。対して日本は90,710人。死者数はそれぞれ2,128人と1,646人。

人口100万人に対する感染者数はポルトガル9,157人、日本718人。ただし、累計検査数はポルトガル300万件近く、日本250万件程度。ポルトガルの人口は日本の約12分の一である。

単純に感染者数の数字だけをみると、ポルトガルの感染者数は日本の12倍!? だが、検査数は日本の方が少ない。もし、日本がポルトガルと同じ程度の検査をしたならば、感染者数はポルトガルと同じくらいになるのかもしれない。