アルガルベの小旅行 その一
ポルトガルは今でも、ヨーロッパ北部と比べて物価が安い。アルガルベ県はポルトガルの最南端に位置し、温暖な気候と美しい海岸線が人気で、観光シーズンは観光客で溢れかえる。 砂漠の島、なんていうロマンティックな名前の島もある。北ヨーロッパの人にとって、 一年中太陽が燦々と輝くポルトガルは憧れの地。 退職後の年金暮らしでも、自国では手が届かないような広い庭にプールもついた「豪邸」暮らしもここならば夢ではない。
負の面もある。アルガルベはどこに行っても観光化が激しく、ポルトガルの素顔は見られないと聞いていた。ポルトガル語を一言も話さなくても英語だけで生活でき、英国と同じようなパブやフィッシュ・アンド・チップスの店があちこちにある。 物価の安い国で安い酒を思う存分飲んでただ騒ぐことだけを目的に来る不埒な奴らも多い。
旅の恥はかき捨て的な観光客を見るためにわざわざアルガルベまで行きたくはない、と移住して15年間、一度も足を踏み入れたことがなかった。だが、コロナの影響で観光客がぱったりと途絶えた。
今こそチャンス、と9月初めに一週間の旅行を計画した。が、その時期、期待していた雨が降らず、空気は乾燥し、森林火災があちこちで発生していた。この時期に家を離れるのはやはり心配だということで、一ヶ月延期して10月初めに一週間の旅に出た。
このブログでは、エントリー一つにつき写真が4枚しか掲載できないので、この小旅行は幾つかに分けて紹介したいと思う。
一人でお留守番を余儀なくされるうちの猫シュウシュウに、二日に一回は様子を見に来てくれる召使(私たち)の友人には愛想良くするんだよ、と言い聞かせて、早朝出発。
長時間のドライブになるため、 料金所のある高速を使ってリスボン南部のセトゥバル方面に向かう。ポルトガルには料金所が設置されている通常の有料高速道路と電子有料高速道路がある。後者は自動的にナンバープレートを読み取って後払いで高速料金を支払うシステムである。簡単に説明すると、有料区域を通過してから、営業日2日待って郵便局に支払いに行くのだが、支払い期間は5日間のみ。この期間が過ぎてしまうと郵便局での支払いは不可となり、一ヶ月ほどしてから送られてくる罰金を上乗せした請求書を待たななければならない。期間内に郵便局で支払う場合、高速料金に郵便局の手数料が上乗せされる。それだけでもなんだか理不尽だが、外国ナンバーの車は、帰国してしまえば支払う手立てがないため、それっきりになってしまうという不公平なシステムである。もちろん、ETCの車載器のようなVia Verdeというシステムもあるが、長距離ドライブは年に数えるくらいしかしないので、私たちは設置していない。
...説明が長くなってしまった。ということで、通常の有料高速道路を使ってリスボン郊外を通過して一路南へ。
Cabo de Sines(シネシュ岬)
崖の下に打ち寄せる青々とした海と砕ける波頭を見ながら、持参したお弁当を広げた。ここにはキャンプ場もあるらしいが、重油を陸揚げする港があり、陸揚げした重油を精製工業に送るパイプラインが縦横に走っているため、澄み切った空と青い海とは対照的に殺伐とした印象だ。
Villa Nova de Milfontes
ミラ川の河口にあり、海を見渡す要塞がある可愛らしい街だ。コロナで観光客が激減したとはいえ、レストランもカフェやバーも開いて、人もそこそこ入っている。というか、このくらいの混み具合でちょうどいい感じである。暖かい明るい日差しが眩しい。
Almograve(アルモグラヴェ)
ミルフォンテシュからそう遠くない海岸。ここを通って海岸沿いにサルダオンまで行かれると思ったが、漁港で行き止まり。 小さな漁港では漁師のお兄さんたちが、獲れた魚を焼くためにバーベキューの準備をしていた。
Porto das Barcas(帆船の港)
小さな漁港があるだけ で寂れた漁村という趣だが、何とも言えない味わいがある。観光シーズンでもそんなに人が来るとは思えない。今はオフシーズンだしコロナの影響もあるのだろう、数えるほどしかないお土産屋さんもレストランも閉まっている。人影もない。漁港を見おろす上の丘に、イーグルスのあの「ホテル・カリフォルニア」のイメージそのものの建物が現れた。
写真は上から
Villa Nova de Milfontes
Almograveから数キロの小さな漁港。石畳が敷かれて手入れがされている。
Porto das Barcasの漁港
Porto das Barcasの「ホテル・カリフォルニア」




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