ブレグジット(英国の欧州連合離脱)と国籍取得
「何でこうなる? 信じられない!」 というのが大方、このあたりで暮らす英国人、つまり英国籍の移民の反応である。12月12日の英総選挙のことである。ジョンソン率いる与党保守党が大勝利を収めた。これで来年1月末日、 合意が出来ようとできまいと、 欧州連合(EU)離脱に突き進む可能性が一段と濃くなった(実際には移行期間があるので離脱は来年12月)。
2016年6月の EU離脱を問う国民投票、翌2017年3月の離脱発動法への署名、それに続く終わりの見えない混乱。今回の総選挙での保守派の勝利は英国民のブレグジット疲れの結果のようにも見える。
(自称?)ジャーナリストからロンドン市長、メイ政権下では外務大臣を務め、英国首相にまでのし上がったジョンソン。タイム紙記者の時代には引用をでっち上げてクビになり、テレグラフ紙はジョンソンの不正確な記事の訂正に追われた。ジョンソンが嘘つきだということは、秘密でもなんでもなく、ほとんど「常識」のようだ。ちなみに、ボリス・ジョンソンの嘘というサイトがある(興味がある方はこちらのリンクをどうぞ<https://boris-johnson-lies.com/>。ついでに調べたら、トランプにも安倍にも同じようなサイトが山ほどあった)
ポルトガル在住の英国移民の間では、ブレグジットは大きな話題である。英国が EU加盟国である限り、英国籍を持っていれば EU加盟国内どこにでも移住して就職する自由がある。離脱すれば特権は無くなる。すでに移住している人たちは、地元で居住届を出していれば離脱後も現居住国に住み続けることができることになっているが、他のEU諸国に再度移住して職を得る自由はなくなる。もちろんこれはポルトガルに限ったことではない。2015年の最新国連世界移民データベースによると、 欧州に居住する英国人は124万人。EUに住み続けるために、離脱前にEU加盟国の国籍を取得する動きは、国民投票後から、活発になった。
ということで、連れ合いも去年、ポルトガルの国籍を申請した。すべての書類を揃えて提出。時間がかかると聞いてはいたが、1年たってもなんの音沙汰もない。移民局に進捗具合を電話で何度か問い合わせようとした。が、常に話し中でつながらない。今年4月のイースターの時期、連休の合い間ならば問い合わせをする人がいないだろうと電話をしたら、一度だけ、つながった。申請は前進してはいるという返事。友人の一人は国籍が取得できるまで3年かかったと言っていた。もうちょっと待ってみるか、とそのままにしているうちに11月。やはり、気にはなるので地元の移民局出先機関に出向いた。すると...。「もう、取得できています。おめでとうございます!」と言われた。
詳しく聞くと、7月にはすでに国籍が取得できていたということが判明。どこからも連絡はなかった。ポルトガル人は身分証明書などとして使う市民カードも当然ながら持っていない。...ってことは、7月から11月まで、不法ポルトガル人だったということ???
噂によると、移民局で国籍取得の業務に携わる職員は4人だけ。ブレグジット以前であれば、それでも今よりは短時間で業務をこなしていたが、ブレグジットのせいで国籍取得の申請が激増して業務が滞っているということだった。職員を増やせば良さそうなものだが、そうはしないのがポルトガルらしい。
何はともあれ、連れ合いはポルトガル人になった。何も変わらないのが不思議な気がする。英国もポルトガルも、二重国籍を認めているので、彼には英国籍もある。英国の欧州離脱は今となっては対岸の火事である。
写真上から
2012年のロンドンオリンピックの最中に、乗ったジップラインが故障して、宙づりのまま二進も三進もいかなくなったジョンソン。当時ロンドン市長だった。
関連はないが、ついでにゴルフのバンカーで転倒した安倍さんも。


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