November 2024

第5日目 カステル・サン・ジオバニ泊

眠ったのか眠れなかったのかわからない一晩だった。10時半のチェックアウトに合わせて目覚ましは10時にセットしておいたけれど8時半には目が覚めてしまった。

宿を出発して最初の村のカフェで朝食。コーヒーの注文でつまづいた。イタリア語で何と言ったっけ? ポルトガルではメイア・ド・レイテ(ミルクコーヒー)をよく注文する。スペインで、それはカフェ・コン・レイチェだ。同様にイタリアでカフェ・コン・ラッテを頼んだら、エスプレッソのコーヒーにミルクが少し入ったものが出てきた。ポルトガルだとエスプレッソにミルクを数滴垂らしたこれはカフェ・ピンガ。

連れ合いはポルトガルでいうアバタナード(日本の「ホット」)を頼もうとしていた。スペインでカフェ・セン・レイテを頼んだら、「カフェ・ソロ?」と聞かれた。そうだというと想像していた「ホット」ではなくてエスプレッソが出てきた。ポルトガルでは「カフェ」を注文すればエスプレッソが出てくる。スペインとイタリアではアメリカーノが「ホット」だった。う〜ん。

宿があるイタリアの小さくて静かな田舎の村カステル・サン・ジオバニにはチェックインにはまだ早い昼過ぎに到着。村の中心に城壁があり、城壁の中にも民家がある。宿も城壁の中だ。車もあまり来ない村の路上の暖かい日差しの中で、猫たちがのんびりと日光浴をしている。

第4日 チビタベッチア泊

昨晩は疲れていたせいかぐっすり眠った。出発が遅かったので、寝たのも2時をまわっていた。まだ暗いうちに一度目が目が覚めると、窓には雨が叩きつけ、頭上に稲光が落ちた。

寝坊するだろうと思ったけれど、明るくなると目が覚めた。船室でヨーグルトとフルーツの朝食。昼は昨日買い込んだサラダ。今日一日、真夜中にチビタベッチアに到着するまで、船の中でやることはほとんどない。この船はサルディーニャ島に立ち寄ってから最終目的地に行く。サルディーニャでの荷物の積み下ろしには順調に見えた。が、真夜中に到着するはずが遅れに遅れて、チビタベッチアに接岸したのが翌8日の早朝3時15分。宿に着いた頃には、早起きの鳥たちがさえずり始めていた。

写真は上から
船尾
サルディーニャで着岸
やっとチビタベッチアに到着した!

 

第3日目 船中泊

ザラゴザからバルセロナへ。今日はこれからの旅に備えた準備をしなければならない。ポルトガルでは手に入らなかった雪道用のチェーンの購入である。

バルカン半島諸国では、11月から雪道対策をしなければならない。スノータイヤは必需品。最も厳しいのがボスニア・ヘルツェゴビナ。スノータイヤ以外にチェーンと10キロだか25キロだかの砂の携帯が義務付けられている。スノータイヤに関しては、すでにポルトガルで雪道でも使えるタイヤに交換した。チェーンはポルトガルでも探したが、簡単には入手できそうもなかったので。バルセロナのショッピングセンターで買うことにしていた。砂はウチの庭で野晒しになっていたものを5リットルの飲料水のペットボトルに詰めて車に積んだ。

スペインのバレンシア地方では10月29日、観測史上前例のない集中豪雨が発生し、土石流によって200人以上が犠牲になるという災害があった。8時間の間に1年分の雨が降ったのに、洪水が発生してから集中豪雨警報が発出されたため、逃げ遅れた人が土石流に呑まれて被害が拡大、大惨事となった。交通が寸断され救出作業は進まず、支援物資も届かず、水が引いた後の復旧作業(泥のかき出し)で地元民は疲労困狽。政府は何もしてくれない、自分たちは見捨てられたという絶望感が広がっていた。

第2日目 ザラゴザ泊

観光シーズンが過ぎたスペインには日常の顔が戻っている。宿の近くのカフェでクロワッサンとカフェ・コン・レイテの朝食後、ザラゴザへ向けて出発。紅葉の美しいドゥエロ川を何度かわたる。途中、ベルランガ・デ・ドゥエロ(Berlanga de Duero)に立ち寄った。今では遺跡となった城や宮殿がある。何世紀にもわたって歴史の波にもまれてきた町である。

長い間、ザラゴザを再訪したいと思っていた。1986年、8月のある暑い夏の日に母とヨーロッパを旅行していた私は多分列車で到着した。バスではなかったと思う。街についてからガイドブックを見ながら照りつける太陽の下、何軒かの安宿で値段を聞いて回った。付き合わされた母は、かなり機嫌が悪かった。

この頃、母の中で海外旅行といえばゴージャスなパッケージツアー。宿泊はいいホテルで、荷物は誰かが運んでくれる。毎日おしゃれな洋服や着物を着て、いいレストランで食事して、バスで名所を訪れて、記念写真を撮る。お友達や家族にたくさんお土産を買って帰国して、旅の話をすればみんなに羨ましがられる、と想像していただろうと思う。

第一日目 アランダ・デ・ドゥエロ泊

久しぶりの長期旅行を何となく考えていた。スペインはバルセロナからイタリアのチビタベッチア(Civitavecchia)まで、イタリア半島を横切って反対側のアンコナからギリシャのパトラまでカーフェリーを利用してアテネへ。ギリシャを周り、バルカン半島諸国、イタリア、フランス、スペインを通ってポルトガルへ帰ってくる約一ヶ月のロードトリップである。

夏の終わり頃から真剣に考え始めたが、9月半ばに車が故障。これではロードトリップは無理かもしれないと一時は諦めかけた。車がダメならば、バックパックで公共交通機関を使っての旅行でもいいかも、とも考えた。65歳(!)になるとポルトガルでは列車料金が半額になる。欧州諸国でも割引がありそうなので、交通費は安く上がりそうだ。それに、途中で車が故障する心配する必要もない。それでも車の利便性は捨て難い。私はこれまで、車での長期旅行をやったことがない。運良く、出発の10日前ほどになって車の修理が完了、これならば大丈夫そうだということになった。

そして今日、第一日目。

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